磯釣りメインの釣師、池永祐二。これまで200種以上のお魚さん達と出会っています。東九州の磯釣りメッカ大分から釣りと自然を紹介しています。 初めての人は右の【まとめて見ると楽しい】から見たい項目(釣り・テクニック・魚・鳥・植物)などをどうぞ。
大分におけるカンダイの釣期
12月~5月の海水温の低い時期です。一番の理由はエサ取り魚が比較的少ない事。次の理由は1~4月の岸壁や防波堤は釣魚が少なく、釣り人が少ない事。特に2~3月は低水温により釣りものが極端に少ないからです。
2月はグレが釣れなくなる月で、3月はチヌが釣れ始める時期なので、グレやチヌを狙ってボウズになることもしばしば、その時期にカンダイを狙うと、ボウズになるリスクが避けられ、強引なファイトを楽しむことが出来ます。
それと、カンダイ釣りのマキエは大目に撒くと効果があります。マキエを打つ量の目安は、グレよりオナガ、オナガよりチヌ、チヌよりカンダイ・・・と撒く量が増えると考えれば分かりやすいでしょう。
その様な考え方で冬を中心に釣りをするので、マキエの量は他の時期に比べると比較的少なくて済むから、カンダイ狙いは冬なのです。
ちなみに取材で7月に新日鉄の赤灯台で釣った事もありますが、おびただしい数のスズメダイとアジゴに囲まれて、一匹釣るのが精いっぱいでした。
食としては、寒い時期の大型カンダイは、煮付にすると非常に美味しく、その味はクエの煮付と肩を並べるほどの美味しさ。他にはカルパッチョ・フライなども美味しく頂けます。これらの要因が冬季にカンダイを狙う理由にもなっているのです。
釣り座選び
ガチンコ勝負のフカセカンダイ釣りは、足場の安全確保、特に後方側に2~3mのフラットな足場が広がっていることが重要です。この様な場所でない限り、カンダイと真っ向からのガチンコ勝負はやらない方が良いでしょう。
岸壁などで釣る場合は車の傍は危ないです。同じ意味で、釣り座の後方1~2mには釣り道具類やタモなどは置かないこと。糸が切れてひっくり返った時に、自分が怪我をしたり、大切な道具類が壊れる可能性もあるからです。
防波堤の犬走りの上でのガチンコ勝負は避けるべき。消波ブロック(テトラポット)の上からはフカセカンダイ釣りをやってはいけません。
これらは思いっきりカンダイと力勝負をして、糸が切れた場合に反動で後方へ人間が吹っ飛んでしまい、自分では全くコントロール出来ないからです。
切れて吹っ飛び怪我をしたり、最悪の場合命を落したりしないことが釣り座選びの重要なポイントです。切れた時の安全確保が出来ない釣り座は、おのずからヤリトリの釣りになり、バラシのリスクが上がってしまうと認識して下さい。
釣り座で一番に行う事(マキエ・道具の準備)
マキエと仕掛け作りを交互に行います。釣り座を決めて一番に行うことはマキエを撒くことです。カンダイはグレやチヌの様に沢山生息している訳ではありません。通常は1匹のオスと数匹のメスが近くにいるくらいで、場所にもよりますが、20~30mに1匹~2匹住んでいる程度です。
そんな魚を狙うので、岸壁や防波堤であれば、左右50m位の広範囲に薄く広く一回目のマキエを撒きましょう。その後仕掛け作りに入りますが、竿にリールをセットして道糸を通しシモリ玉からウキを通してストッパーを取り付けた頃に、再び最初と同じ位置に同じ量のマキエを打つのです。
次にハリスと道糸を繋いで、竿を伸ばします。最後にハリを結んで仕掛けの完成です。仕掛けが出来た時点で3度目のマキエを打ちますが、今度は左右30m範囲に少し絞り込んでマキエを打ちます。
この頃から沖へのマキエはしなくても構いません。防波堤や岸壁の近くだけのマキエとなります。次に行うのが道糸とハリスの巻き癖を除く事と、タナを測る事です。
釣り始める前の仕事(巻き癖取り・ドラグ調整・マキエ)
3度目のマキエを撒いたら、ハリスと道糸の巻き癖を取る作業に入ります。糸を出して一ヒロずつ手で糸をしごいて巻き癖を取る方法と、ハリを重量物(バッカンなど)のワッカに引っ掛けて、水深プラス海面からリールのスプールまでの糸を出して、思いっきり竿を曲げる方法があります。
私は後者の方法で巻き癖を取っていますが。この方法は同時にドラグの調整も行えるので重宝しています。
ドラグ調整の目的は、通常の釣りであればハリスをかばう事が主目的ですが、ガチンコ勝負のドラグ調整の目的は違います。フルドラグで引っ張り合い、自分が海に引き込まれない事と、大切なリールや竿を魚に持って行かれないためのものなのです。
ドラグ調整は、自分の体重を竿に乗せて思いっきり引っ張った時に、ジッと糸が10㎝程度出れば良いでしょう。
これでカンダイと勝負した場合、簡単に糸を引き出して行くので、アタリが有ってアワセを入れる時には、片方の手でリールを保持して(ハンドドラグ)思いっきり強くアワセを入れるのです。
直後に凄まじい引きが襲ってきますが、危ないと判断した場合に限り、ハンドドラグを離すとミチイトガ出るので、自分が引き込まれたり道具を持って行かれることもないのです。
釣り始める前の仕事(タナ取り・マキエ)
ドラグ調整が終わったら4回目のマキエを撒きます。4回目のマキエの範囲は3回のマキエの範囲より更に縮めて左右10m位、防波堤や岸壁沿いだけのマキエに絞ります。
マキエが終わってからタナ取りを行いましょう。タナを取る場所は釣り座の左右10mくらいの範囲ですが、基本は潮下側です。岸壁から30㎝~1m位の場所を5~6ヵ所くらいは念入りに行い、浅い場所や深い場所などを頭に叩き込みます。
タナ取りが終わったら、設定したタナの位置(ウキ止めの位置)が、ハリからどのくらいの位置にあるか竿を使って覚えます。簡単な方法はウキ止めの位置をリールのスプールから出た位置にした状態で、ハリが竿のどの位置にくるのかチェックするのです。
仮に設定したタナが12m位であれば、竿先から伸びた道糸は、リールのハンドルの位置で再び穂先側へ折り返す様になり、竿の半分よりも上のガイドにハリが来るはずです。
この位置を覚えることと、その時の潮位の高さを確認していると、ウキ止め糸がズレたりハリスが切れて交換しても、ある程度のタナは掌握することが出来るのです。
カンダイ釣りは力勝負の釣りなので、魚が掛った後のウキ止め位置は必ず確認し、なおかつ再度のタナ取りなどをこまめに行うことで、カンダイとの距離は縮まってくるのです。4回目と同じ様に、5回目のマキエを打って釣り始める前のマキエは終了します。
いよいよ釣り開始
ここまでの作業に時間をかけて行えば、30分以上は時間が経過するはずです。カンダイはこの時間内でも寄っている事もありますが、1~2匹程度だと心得て下さい。
直ぐに釣り始めても構いませんが、私はこの後もゆっくりと道具類の片づけや写真撮影などをしながら、薄めにマキエを打ち続けます。
最初の一投を、マキエを始めて1時間くらい経ってから始めると、一投目~三投目くらいで喰って来ることが多いので、釣り始めから緊張します。
一回目のマキエを打つ投入点は、岸壁から50㎝位先で1m位の範囲に並べて3杯、更に岸壁から1m位沖の1m範囲に並べて3杯、合計6杯をワンセットで撒きます。
二回目のマキエは20秒くらい経ってから、最初のマキエが流れた場所の上に同じ様に打ちます。更に三回目のマキエを20秒後に打ちます。流れて沈んで行く二回目のマキエの上で、撒き方は最初のマキエを同じ様に打ちます。
更に20秒後、四回目のマキエを打ちます。三回目のマキエが流れ沈んで行く上に、同じ様に6杯のマキエを打ちます。その20秒後、トータル1分20秒後に仕掛けを入れます。
サシエを置く位置は四回目のマキエが流れ沈んでいく上のセンターで、岸壁から30㎝~50㎝のピンポイント。この投入方法だと、タナを10m位にセットしていると仮定すると、一回目のマキエが7~8m位沈んだ時に、サシエが追いつくくらいの感じで沈んでいきます。
ウキがなじんで30秒位経ったら1mくらい仕掛けを引き上げてサソイを入れましょう。更に30秒ほど経ったら二回目のサソイを同じ様に入れます。その後30秒ほど経って三回目のサソイを入れます。
更に30秒ほど経つと、四回目に撒いたマキエとの同調が終わる頃なので、仕掛けを回収するのが一流しの工程です。
散歩釣法
カンダイ釣りはガチンコ勝負。この勝負を有効にする一つの方法として、流れて行くウキと一緒に釣り人も動いて付いて行く事。
これをやらず、流れるウキに対して道糸を送り出して行く方法だと、カンダイとガチンコ勝負をした場合、カンダイが自分の方へ走った時には根に張り付かれるリスクが非常に高くなるのです。
よって、道糸を送り出す釣りは極力しないで下さい。穂先とウキの距離を一定に保って、流れるウキに釣り人が付いて行く釣法が、カンダイを仕留める有効な方法です。これを散歩釣法と呼んでいます。
際からウキを離さない
際を釣ると浮いて来るカンダイもターゲットになるので、カンダイ狙いの釣り人には際を狙う様に指導しています。この方法でマキエと同調してサシエが沈んでいくと、カンダイが浮いて来る時には高い確率で喰う事が多いのです。
でも岸壁の際は、船の引き波や風波の返し波が発生するのも事実で、ウキが際から離れようと動くのです。これを放っていると、先ずはウキが沖側へ出て、それにつられてウキから下の道糸も沖側へ出て行き、最終的にはサシエも沖側へ出てしまいます。
こうなるとサシエを際に戻す事は困難になってしまいます。よって、竿の操作としては常に道糸を際へ引っ張る事を意識しなければなりません。
でもそれに気を取られていると、カンダイが当たって来たときに、合せる暇もなく竿先を引き込まれてしまうので、ハリスを切られたりハリ外れの原因にもなってっしまいます。ウキを際に引き留めておく操作も重要ですが、不意のアタリにも備える事がとても重要です。
間合いの取り方
間合いとは、一つ目はウキと穂先の位置関係。簡単に説明するとウキの上部に穂先が有ることが望ましい。この意味は、カンダイを掛けた時に、常に自分がカンダイの直ぐ傍で上から引っ張る状態を保つ第一歩と心得て下さい。
もう一つの間合いは、穂先からウキまでの道糸の長さで、2~3m位が望ましい長さです。ただしこの長さは、ウキを際に引きつけたりする作業で短くなる事が多いので、その時間を極力短くするのが最良の方法。
2~3mの長さはウキが沈んでアワセの体制を取って合わせるまでの数秒間、穂先までカンダイの引きが伝わらない長さと思ってください。
竿が曲がってからアワセを入れるのと、竿が曲がっていない状態でアワセを入れるのとでは、後者の方が断然ハリが深く刺さり、ハリ外れやハリが伸びるリスクは減ってくれるのです。
合わせ方
アワセの第一歩は竿尻を股関節にあてがう事。そこから思いっきり強くアワセを入れます。アワセの位置は竿の4番を使います。間違っても穂先でアワセてはいけません。
小磯15号などのハリはグレバリやチヌバリと違って太いく、その太いハリを魚の口に掛けなければならず、腕でアワセたり穂先でアワセても、がっちりとは掛らないからです。竿の4番を使ってのアワセは、イシダイ釣りの引き抜きアワセに似ています。
掛ったら
とにかく耐えて巻くことに意識を集中。カンダイの横走りには自分も付いて走ります。ハンドドラグは危ないと思った場合を除き、手を離さない。
リールを巻く手は、ハンドルとリールのボディを交互に移動するリールさばきが必要です。力対力のガチンコ勝負には弱気は一切禁物です。
竿の使い方
竿を立てる必要なし、竿の2番まで海中に引き込まれても糸は出しません。少しでも竿を引っ張ることが出来たらリールを一回転だけでも巻き取ります。
魚の引きは竿の4番から5番の、手元に乗せたままで勝負する方が獲れる確率は上がります。よって竿は水平から下側を向いたまま、巻ける時に巻くことを3~4回ほど繰り返したら、獲れる確率は50パーセントくらいまでアップします。
根に入ったら
カンダイが根に付いたらビクとも動かなくなります。グレ釣りならば竿の曲りをなくし、穂先に少しだけテンションを掛けて待つとグレから泳ぎ始めるのですが・・・。この方法はカンダイには通用しません。
カンダイの時には竿を思いっきり曲げて絞り込んで、その力をカンダイに与え続けるのです。この時の方法は先ず座り込みます。そして足の裏に竿尻をあてがって竿を曲げると強い力をカンダイに与え続ける事が出来るのです。
ネット動画で、女性日本一のカンダイを仕留めたあかねちゃんのテクニックは、15分間この方法を採ってカンダイが根から外れたので取り込めたのです。ちなみに、竿尻を腹に当てて竿を曲げても、腹が痛いので強い力を掛け続ける事は不可能です。
取込み方法
タモは直径45㎝~50㎝で大丈夫。網の深さは50㎝くらいで80㎝級のカンダイは掬えます。リールがレバーブレーキ付きだとレバーブレーキを緩めれば簡単に掬えます。
レバーブレーキがないスピニングリールは、カンダイが浮いて弱ったらオープンベイルにして指でスプールを抑えます。でもこれは非常に力が要ります。空いた手でタモを持って掬うときにスプールから糸を出して(押さえている指の力を抜く)タモ入れをします。
引き上げる時にはタモを真っ直ぐにして、垂直に引き上げる事がタモを破損しない唯一の方法です。
リリースなど
カンダイは70㎝級の大きさになるまで20数年の歳月を必要と考えます。よって釣って持ち帰る事が続くと、大型はかなり少なくなる魚です。
ただし、釣りが出来ない所にかなりの数が居るので、資源枯渇には直結しませんが、自己記録以外は出来るだけリリースして欲しい。時々食べることには反対しません。
エアー抜き
魚の肛門から差し込んでエアーを抜く器具があり、効果もあります。大きめのカンダイは生命力が強く、試しに弱ったカンダイを3匹、エアー抜きしてロープに繋いで一晩海中に沈め、次の日の午後に引き揚げた所、3匹ともエアー抜きした時点より元気になって暴れてくれました。
基本的には腹を上にして浮いているカンダイを、そのままリリースしても30分くらい経つと自分でエアーを抜いて潜ります。ただし、浮いている状態での危険性は排除できませんが・・・。釣って1分ぐらいなら心配なくリリースは可能です。
切れるか、折れるか、獲れるか、あなたもチャレンジあるのみです!
フカセカンダイの釣り方・・・1 はこちら
一つからでも購入OK ! スマホケース・iPhone
12月~5月の海水温の低い時期です。一番の理由はエサ取り魚が比較的少ない事。次の理由は1~4月の岸壁や防波堤は釣魚が少なく、釣り人が少ない事。特に2~3月は低水温により釣りものが極端に少ないからです。
2月はグレが釣れなくなる月で、3月はチヌが釣れ始める時期なので、グレやチヌを狙ってボウズになることもしばしば、その時期にカンダイを狙うと、ボウズになるリスクが避けられ、強引なファイトを楽しむことが出来ます。
それと、カンダイ釣りのマキエは大目に撒くと効果があります。マキエを打つ量の目安は、グレよりオナガ、オナガよりチヌ、チヌよりカンダイ・・・と撒く量が増えると考えれば分かりやすいでしょう。
その様な考え方で冬を中心に釣りをするので、マキエの量は他の時期に比べると比較的少なくて済むから、カンダイ狙いは冬なのです。
ちなみに取材で7月に新日鉄の赤灯台で釣った事もありますが、おびただしい数のスズメダイとアジゴに囲まれて、一匹釣るのが精いっぱいでした。
食としては、寒い時期の大型カンダイは、煮付にすると非常に美味しく、その味はクエの煮付と肩を並べるほどの美味しさ。他にはカルパッチョ・フライなども美味しく頂けます。これらの要因が冬季にカンダイを狙う理由にもなっているのです。
釣り座選び
ガチンコ勝負のフカセカンダイ釣りは、足場の安全確保、特に後方側に2~3mのフラットな足場が広がっていることが重要です。この様な場所でない限り、カンダイと真っ向からのガチンコ勝負はやらない方が良いでしょう。
岸壁などで釣る場合は車の傍は危ないです。同じ意味で、釣り座の後方1~2mには釣り道具類やタモなどは置かないこと。糸が切れてひっくり返った時に、自分が怪我をしたり、大切な道具類が壊れる可能性もあるからです。
防波堤の犬走りの上でのガチンコ勝負は避けるべき。消波ブロック(テトラポット)の上からはフカセカンダイ釣りをやってはいけません。
これらは思いっきりカンダイと力勝負をして、糸が切れた場合に反動で後方へ人間が吹っ飛んでしまい、自分では全くコントロール出来ないからです。
切れて吹っ飛び怪我をしたり、最悪の場合命を落したりしないことが釣り座選びの重要なポイントです。切れた時の安全確保が出来ない釣り座は、おのずからヤリトリの釣りになり、バラシのリスクが上がってしまうと認識して下さい。
釣り座で一番に行う事(マキエ・道具の準備)
マキエと仕掛け作りを交互に行います。釣り座を決めて一番に行うことはマキエを撒くことです。カンダイはグレやチヌの様に沢山生息している訳ではありません。通常は1匹のオスと数匹のメスが近くにいるくらいで、場所にもよりますが、20~30mに1匹~2匹住んでいる程度です。
そんな魚を狙うので、岸壁や防波堤であれば、左右50m位の広範囲に薄く広く一回目のマキエを撒きましょう。その後仕掛け作りに入りますが、竿にリールをセットして道糸を通しシモリ玉からウキを通してストッパーを取り付けた頃に、再び最初と同じ位置に同じ量のマキエを打つのです。
次にハリスと道糸を繋いで、竿を伸ばします。最後にハリを結んで仕掛けの完成です。仕掛けが出来た時点で3度目のマキエを打ちますが、今度は左右30m範囲に少し絞り込んでマキエを打ちます。
この頃から沖へのマキエはしなくても構いません。防波堤や岸壁の近くだけのマキエとなります。次に行うのが道糸とハリスの巻き癖を除く事と、タナを測る事です。
釣り始める前の仕事(巻き癖取り・ドラグ調整・マキエ)
3度目のマキエを撒いたら、ハリスと道糸の巻き癖を取る作業に入ります。糸を出して一ヒロずつ手で糸をしごいて巻き癖を取る方法と、ハリを重量物(バッカンなど)のワッカに引っ掛けて、水深プラス海面からリールのスプールまでの糸を出して、思いっきり竿を曲げる方法があります。
私は後者の方法で巻き癖を取っていますが。この方法は同時にドラグの調整も行えるので重宝しています。
ドラグ調整の目的は、通常の釣りであればハリスをかばう事が主目的ですが、ガチンコ勝負のドラグ調整の目的は違います。フルドラグで引っ張り合い、自分が海に引き込まれない事と、大切なリールや竿を魚に持って行かれないためのものなのです。
ドラグ調整は、自分の体重を竿に乗せて思いっきり引っ張った時に、ジッと糸が10㎝程度出れば良いでしょう。
これでカンダイと勝負した場合、簡単に糸を引き出して行くので、アタリが有ってアワセを入れる時には、片方の手でリールを保持して(ハンドドラグ)思いっきり強くアワセを入れるのです。
直後に凄まじい引きが襲ってきますが、危ないと判断した場合に限り、ハンドドラグを離すとミチイトガ出るので、自分が引き込まれたり道具を持って行かれることもないのです。
釣り始める前の仕事(タナ取り・マキエ)
ドラグ調整が終わったら4回目のマキエを撒きます。4回目のマキエの範囲は3回のマキエの範囲より更に縮めて左右10m位、防波堤や岸壁沿いだけのマキエに絞ります。
マキエが終わってからタナ取りを行いましょう。タナを取る場所は釣り座の左右10mくらいの範囲ですが、基本は潮下側です。岸壁から30㎝~1m位の場所を5~6ヵ所くらいは念入りに行い、浅い場所や深い場所などを頭に叩き込みます。
タナ取りが終わったら、設定したタナの位置(ウキ止めの位置)が、ハリからどのくらいの位置にあるか竿を使って覚えます。簡単な方法はウキ止めの位置をリールのスプールから出た位置にした状態で、ハリが竿のどの位置にくるのかチェックするのです。
仮に設定したタナが12m位であれば、竿先から伸びた道糸は、リールのハンドルの位置で再び穂先側へ折り返す様になり、竿の半分よりも上のガイドにハリが来るはずです。
この位置を覚えることと、その時の潮位の高さを確認していると、ウキ止め糸がズレたりハリスが切れて交換しても、ある程度のタナは掌握することが出来るのです。
カンダイ釣りは力勝負の釣りなので、魚が掛った後のウキ止め位置は必ず確認し、なおかつ再度のタナ取りなどをこまめに行うことで、カンダイとの距離は縮まってくるのです。4回目と同じ様に、5回目のマキエを打って釣り始める前のマキエは終了します。
いよいよ釣り開始
ここまでの作業に時間をかけて行えば、30分以上は時間が経過するはずです。カンダイはこの時間内でも寄っている事もありますが、1~2匹程度だと心得て下さい。
直ぐに釣り始めても構いませんが、私はこの後もゆっくりと道具類の片づけや写真撮影などをしながら、薄めにマキエを打ち続けます。
最初の一投を、マキエを始めて1時間くらい経ってから始めると、一投目~三投目くらいで喰って来ることが多いので、釣り始めから緊張します。
一回目のマキエを打つ投入点は、岸壁から50㎝位先で1m位の範囲に並べて3杯、更に岸壁から1m位沖の1m範囲に並べて3杯、合計6杯をワンセットで撒きます。
二回目のマキエは20秒くらい経ってから、最初のマキエが流れた場所の上に同じ様に打ちます。更に三回目のマキエを20秒後に打ちます。流れて沈んで行く二回目のマキエの上で、撒き方は最初のマキエを同じ様に打ちます。
更に20秒後、四回目のマキエを打ちます。三回目のマキエが流れ沈んで行く上に、同じ様に6杯のマキエを打ちます。その20秒後、トータル1分20秒後に仕掛けを入れます。
サシエを置く位置は四回目のマキエが流れ沈んでいく上のセンターで、岸壁から30㎝~50㎝のピンポイント。この投入方法だと、タナを10m位にセットしていると仮定すると、一回目のマキエが7~8m位沈んだ時に、サシエが追いつくくらいの感じで沈んでいきます。
ウキがなじんで30秒位経ったら1mくらい仕掛けを引き上げてサソイを入れましょう。更に30秒ほど経ったら二回目のサソイを同じ様に入れます。その後30秒ほど経って三回目のサソイを入れます。
更に30秒ほど経つと、四回目に撒いたマキエとの同調が終わる頃なので、仕掛けを回収するのが一流しの工程です。
散歩釣法
カンダイ釣りはガチンコ勝負。この勝負を有効にする一つの方法として、流れて行くウキと一緒に釣り人も動いて付いて行く事。
これをやらず、流れるウキに対して道糸を送り出して行く方法だと、カンダイとガチンコ勝負をした場合、カンダイが自分の方へ走った時には根に張り付かれるリスクが非常に高くなるのです。
よって、道糸を送り出す釣りは極力しないで下さい。穂先とウキの距離を一定に保って、流れるウキに釣り人が付いて行く釣法が、カンダイを仕留める有効な方法です。これを散歩釣法と呼んでいます。
際からウキを離さない
際を釣ると浮いて来るカンダイもターゲットになるので、カンダイ狙いの釣り人には際を狙う様に指導しています。この方法でマキエと同調してサシエが沈んでいくと、カンダイが浮いて来る時には高い確率で喰う事が多いのです。
でも岸壁の際は、船の引き波や風波の返し波が発生するのも事実で、ウキが際から離れようと動くのです。これを放っていると、先ずはウキが沖側へ出て、それにつられてウキから下の道糸も沖側へ出て行き、最終的にはサシエも沖側へ出てしまいます。
こうなるとサシエを際に戻す事は困難になってしまいます。よって、竿の操作としては常に道糸を際へ引っ張る事を意識しなければなりません。
でもそれに気を取られていると、カンダイが当たって来たときに、合せる暇もなく竿先を引き込まれてしまうので、ハリスを切られたりハリ外れの原因にもなってっしまいます。ウキを際に引き留めておく操作も重要ですが、不意のアタリにも備える事がとても重要です。
間合いの取り方
間合いとは、一つ目はウキと穂先の位置関係。簡単に説明するとウキの上部に穂先が有ることが望ましい。この意味は、カンダイを掛けた時に、常に自分がカンダイの直ぐ傍で上から引っ張る状態を保つ第一歩と心得て下さい。
もう一つの間合いは、穂先からウキまでの道糸の長さで、2~3m位が望ましい長さです。ただしこの長さは、ウキを際に引きつけたりする作業で短くなる事が多いので、その時間を極力短くするのが最良の方法。
2~3mの長さはウキが沈んでアワセの体制を取って合わせるまでの数秒間、穂先までカンダイの引きが伝わらない長さと思ってください。
竿が曲がってからアワセを入れるのと、竿が曲がっていない状態でアワセを入れるのとでは、後者の方が断然ハリが深く刺さり、ハリ外れやハリが伸びるリスクは減ってくれるのです。
合わせ方
アワセの第一歩は竿尻を股関節にあてがう事。そこから思いっきり強くアワセを入れます。アワセの位置は竿の4番を使います。間違っても穂先でアワセてはいけません。
小磯15号などのハリはグレバリやチヌバリと違って太いく、その太いハリを魚の口に掛けなければならず、腕でアワセたり穂先でアワセても、がっちりとは掛らないからです。竿の4番を使ってのアワセは、イシダイ釣りの引き抜きアワセに似ています。
掛ったら
とにかく耐えて巻くことに意識を集中。カンダイの横走りには自分も付いて走ります。ハンドドラグは危ないと思った場合を除き、手を離さない。
リールを巻く手は、ハンドルとリールのボディを交互に移動するリールさばきが必要です。力対力のガチンコ勝負には弱気は一切禁物です。
竿の使い方
竿を立てる必要なし、竿の2番まで海中に引き込まれても糸は出しません。少しでも竿を引っ張ることが出来たらリールを一回転だけでも巻き取ります。
魚の引きは竿の4番から5番の、手元に乗せたままで勝負する方が獲れる確率は上がります。よって竿は水平から下側を向いたまま、巻ける時に巻くことを3~4回ほど繰り返したら、獲れる確率は50パーセントくらいまでアップします。
根に入ったら
カンダイが根に付いたらビクとも動かなくなります。グレ釣りならば竿の曲りをなくし、穂先に少しだけテンションを掛けて待つとグレから泳ぎ始めるのですが・・・。この方法はカンダイには通用しません。
カンダイの時には竿を思いっきり曲げて絞り込んで、その力をカンダイに与え続けるのです。この時の方法は先ず座り込みます。そして足の裏に竿尻をあてがって竿を曲げると強い力をカンダイに与え続ける事が出来るのです。
ネット動画で、女性日本一のカンダイを仕留めたあかねちゃんのテクニックは、15分間この方法を採ってカンダイが根から外れたので取り込めたのです。ちなみに、竿尻を腹に当てて竿を曲げても、腹が痛いので強い力を掛け続ける事は不可能です。
取込み方法
タモは直径45㎝~50㎝で大丈夫。網の深さは50㎝くらいで80㎝級のカンダイは掬えます。リールがレバーブレーキ付きだとレバーブレーキを緩めれば簡単に掬えます。
レバーブレーキがないスピニングリールは、カンダイが浮いて弱ったらオープンベイルにして指でスプールを抑えます。でもこれは非常に力が要ります。空いた手でタモを持って掬うときにスプールから糸を出して(押さえている指の力を抜く)タモ入れをします。
引き上げる時にはタモを真っ直ぐにして、垂直に引き上げる事がタモを破損しない唯一の方法です。
リリースなど
カンダイは70㎝級の大きさになるまで20数年の歳月を必要と考えます。よって釣って持ち帰る事が続くと、大型はかなり少なくなる魚です。
ただし、釣りが出来ない所にかなりの数が居るので、資源枯渇には直結しませんが、自己記録以外は出来るだけリリースして欲しい。時々食べることには反対しません。
エアー抜き
魚の肛門から差し込んでエアーを抜く器具があり、効果もあります。大きめのカンダイは生命力が強く、試しに弱ったカンダイを3匹、エアー抜きしてロープに繋いで一晩海中に沈め、次の日の午後に引き揚げた所、3匹ともエアー抜きした時点より元気になって暴れてくれました。
基本的には腹を上にして浮いているカンダイを、そのままリリースしても30分くらい経つと自分でエアーを抜いて潜ります。ただし、浮いている状態での危険性は排除できませんが・・・。釣って1分ぐらいなら心配なくリリースは可能です。
切れるか、折れるか、獲れるか、あなたもチャレンジあるのみです!
フカセカンダイの釣り方・・・1 はこちら
一つからでも購入OK ! スマホケース・iPhone
コメントする (初めての人は挨拶から・・)