磯釣りメインの釣師、池永祐二。これまで200種以上のお魚さん達と出会っています。東九州の磯釣りメッカ大分から釣りと自然を紹介しています。 初めての人は右の【まとめて見ると楽しい】から見たい項目(釣り・テクニック・魚・鳥・植物)などをどうぞ。
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アカショウビンとの出会い・・1

アカショウビンは憧れの小鳥。30年ほど前に大分県の佐伯市宇目町の藤河内渓谷で、ヤマメ釣りのキャンプをした早朝に、キョロロロローと独特な鳴き声を聞いて、2~3年は声を聞くことが出来ていましたが、その後は鳴き声を聞かなくなりました。ヤマメの住む渓流にアマゴを放流したため、釣趣がなくなってからは、渓流釣りから遠ざかったのが一因で、アカショウビンとは縁がなくなってしまったのです。

・・・県民の森は私の実家から近くに一部があります。今の様に道路が整備されていない時から、子供の頃は歩いて、中学生の頃は自転車で、高校生の頃にはバイクで遊んでいた所なのです。中学生の頃に野鳥の名前を400種類ほど覚え、それからは鳥を捕って飼ったり、食べたりしながら、過ごしていました。お陰で、サンコウチョウやオオルリ・キビタキ・ルリビタキ・ウソなどは、普通の小鳥としてなじんでいました。でもアレだけ山に篭っていて、県民の森ではアカショウビンの鳴き声を一度も聴いた事がなかったのです。

その県民の森で、昨年はアカショウビンの声を30数年振りに聞いたのです。その数日後には、キョロロ・キョロロ・キョロロ・・・と鳴きながら飛んで行くアカショウビンを初めて見る事が出来たのです。アカショウビンが県民の森で鳴いている・・・。その姿を追って通いましたが、二度と姿を確認する事がなく一年が経ったのです。

今回の県民の森のアカショウビンは、昨年鳴いていたオスのアカショウビンが、今年はお嫁さんに巡り会えたと判断しています。地元の知人に聞くと、今年は3月の下旬頃からキョロロローと鳴いていたそうで、その頃は二本の尾根を越えて、鳴き声が行き来していたとの事でした。

私は5月下旬からアカショウビンの鳴き声を聞き始めました。その後、オオルリやサンコウチョウの追っかけをしている時、アカショウビンがけたたましくキョロロローと鳴くのを耳にして、他の場所からもキョロロローと鳴き声がするのを確認しました。その二つの鳴き声は、山の中や渓谷を行ったり来たり、尋常な鳴き方ではなかったのです。

同じ頃、仲間の朝見さんと岡崎さんが、私の場所から下流側でオスらしき個体と、メスらしき個体を相次いで視認していたのです。今思えば、2羽のアカショウビンが番(つがい)になった瞬間の声と姿を、3人がそれぞれ確認する事が出来た訳です。2009年6月6日(土曜日)の出来事です。



アカショウビンとの出会い・・2

5月下旬にサンコウチョウの巣を見つけていたので、サンコウチョウを重点的に観察し、6月12日からサンコウチョウの抱卵を確認、時間をみてはアカショウビンの鳴く所を特定していました。その後、アカショウビンの初撮影に成功6月16日の事でした。この期間は一年で一番昼の長い日々ですが、朝見さんと一念発起、夜明け前からアカショウビンが鳴き始める場所を探しました。まだ暗い山の中、今日はあちら、明日はこちら、二人で手分けして、鳴き始める時間と場所の確認作業をして、アカショウビンの包囲網を縮めていたのです。

あちらの渓流も魅力的、こちらの渓流も魅力的、そちらの渓流からも鳴き声がしました。3本の谷の中から、一番餌場として良さそうな所も特定しました。そして日が昇るとサンコウチョウの抱卵を観察していたのです。

そんな折、岡崎さんと山を歩いているとアカショウビンの声がすぐ近くから聞こえました。二人で10m進んでは立ち止まり姿を探しながら前進していきます。ゆっくりゆっくりと確認しますが見つかりません。諦めてカーブを回ったとき、岡崎さんがアカショウビンを発見しました。アカショウビンに近い方は私ですが、二人が見ると逃げられると判断し、私はアカショウビンの方へは一切頭を向けませんでした。少しの間をおいてアカショウビンは山の中へと消えていきました。

ココもアカショウビンの狩場かも知れません。岡崎さんは夕方も確認したそうですが、出会うことはなかったとの事。その翌日、早朝から朝見さんと一緒にアカショウビンが居た所に入りました。

観察しやすいように、枯れ木や木の枝などを取り払うため、渓流へ二人で入ったら、沢山の木クズが落ちています。それも新しく、かなりの量が上部の立ち枯れの木の下に溜っているのです。アオゲラ?と朝見さんが聞いてきたのですが、木クズの粒がアオゲラよりも小さいのです。でもコゲラほど細かくはありません。木クズ一辺の長さは2cm前後?アオゲラは3cm前後の木クズと判断しているのです。
この時点ではアカショウビンが関係しているとは思っていなかったのですが・・・

基地がほぼ完成し、周辺を手入れしていたらキョロロロー・・・
アカショウビンの声がかなりの近くから聞こえてきました。同時に岡崎さんも基地に合流する事が出来ました。程なくして下流の方からアカショウビンが一羽やってきました。続いてもう一羽。写真を撮っていると、基地のすぐ近くに二羽のアカショウビンがやってきたのです。

一羽のアカショウビンが枯れ木の巣穴に飛び込みました。そして直ぐに舞い戻ります。続いてもう一羽が巣穴へと入って行ったのです。そのまま出てきません。最初に入って戻った方は、一箇所の枝に留まったまま動かなくなりました。そして小さな声でキョロロ・・キョロロ・・・と何度か鳴きました。2時間ほどして巣穴から一羽が出て下流へと飛び去りました。枝で待機していたもう一羽が巣穴に入り、直ぐに出て下流へと飛び去って行きます。オスが卵が有るか確認したのでしょう。

・・・産気付いたメスをオスが巣に案内してきた。メスは2時間ほどかけて巣穴で産卵した。その間、オスは微動だにせずメスの産卵を守った。メスが巣穴から去った後、オスは卵を確認してメスを追って行った。・・・この様に判断しました。

アカショウビンの産卵に私たちは立ち会ったのです。
一生かかっても見られないと思っていたアカショウビン。
大分では繁殖記録がなかったアカショウビン。
これは偶然?それとも山の神様がプレゼントしてくれた?
山の神秘の一部始終を、朝見さん・岡崎さん・私で見たのです。
・・・感謝しています。


一緒に観察した仲間のブログです

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産卵は6月20日の8時前から10時頃の出来事です



子育て1日目 曇り時々晴れ
2009年7月13日 月曜日 5時20分~18時50分 エサ運び4回(3時間に1回)

朝一番から県民の森に入りました。本部に到着後、サンコウチョウが水浴びに来る事がある、上流側にカメラをセットしました。5時28分。キョロロローとアカショウビンの声、①か②の枝に居ると思いますが、暗くて確認しづらいので巣穴を見ていると・・・最初の枝から飛んで来て、巣穴の前に取り付けた蔓に留まってくれました。

蔓は一昨日に取り付け、昨日は第一撮影ポイントからの不具合で、高さ調整をしています。蔓の高さは巣穴の高さより40~50cmくらい低く、巣穴の前方に1.3~1.5mくらいは離れています。これは外敵のヘビが届かない距離を確保しつつ、親が巣の出入をやりやすくするためとと、巣立ち後の雛が留まりやすい位置を考えての事。もちろん撮影を考慮しての蔓です。

①の枝にはオスが留まります。②の枝にはメスが留まります。そこから飛んで来て、この蔓に一旦留まって、巣に入ったり巣から出て留まったり・・・重宝して使ってくれているのが嬉しいです。でも朝一番は暗かったので確認をしなかったのです。巣に来た親は巣穴に頭を入れてエサを与えている様子。これまで一度もなかった行動に入っていました。その後、一旦蔓に戻り、今度は巣穴へと消えていきました。

これまでのパターンは下流から飛んできたら、①か②の枝に留まってキョロロローと鳴きます。この声を聞いた巣穴の中の相棒は、直ぐに巣穴から出て下流へと飛び去って行くのです。その後鳴いた方の相棒が、3分以内にダイレクトで巣穴に入っていました。これが抱卵の交替パターンです

今日からのパターンは、キョロロローと鳴いた後、一旦巣穴前の蔓に留まり、それから巣へ行きます。そこでエサを与えて一旦は蔓へ舞い戻ります。その後は巣穴へと入って行って、1~2分後に巣穴から下流目掛けて飛び去るパターンになりました。5時28分・8時50分・14時40分・18時40分にエサを与え、最後は巣穴へと消えて行きました。朝一は不明だけど、後の全ては②の枝からの親なので、メスだと判断しています。



2日目 晴れ
2009年7月14日 火曜日 5時30分~16時25分 エサ運び13回(51分に1回)

今日は一人で観察です。天気は晴れで午後からは薄雲が射したり射さなかったり、朝5時35分には本部に到着、程なくして巣の方向から下流へと鳥のシルエット、たぶん親鳥ですが、ココにはヒヨドリも多いので確かでは有りません。6時前に②の枝でキョロロローと鳴き声です。その後、頻繁にエサを運び、7時までに4~5回も巣の出入りをしています。気になったのは、全て②の枝から蔓へ飛んでくる事です。②の枝は抱卵中のメスが良く留まっていた所だからです。オスはどうした??

そんな不安を破った行動は、いつの間にか蔓に留まって下流を向いていた親が居て、1分くらい後に②の枝にメスが戻って来た事です。それを見た蔓側の親が巣の中に入っていきました。しばらくして②の枝に留まっていたメスが蔓に留まった後、巣へと向かい、巣の縁から中の親へエサを渡している仕草を見せたのです。

もう一回はかなり大きなトカゲを持って来た親が、巣に入らずに巣の縁でエサのトカゲを中の鳥に渡した事。生後2日目の雛に大きなトカゲを渡したとは考え難く、中に親が居てそれに渡し、中の親が大きなエサなどを食いちぎるか、飲み込んで半消化してから雛に与えていると推測しました。

この日は、午前中から午後にかけてメスがエサ取り、オスが巣の中で雛の世話役。午後の後半からはオスがエサ取り、巣の中にはメスが入って雛の世話・・・と、役割分担して子育てをしている様に推測しました。確信が持てないのですが、午前中は②枝に連続して留まり、午後の後半からは①の枝に連続して留まっていたから、こんな判断をした2日目の子育てでした。

抱卵中の行動と変った事は、①と②の枝で交替合図のキョロロローを鳴いていた事が、子育てになると、①・②の枝で鳴かなくなった事。よって巣の近くに来るのを確認する為には、①・②の枝に黙って留まる親を目視しなければならない事です。鳴くのは巣の前の蔓に留まった時で、小さな声でキョロロローと鳴く様になっています。巣の中の親に“帰ったコール”をしていると判断しています。

写真に写っていたエサは、トカゲが一回とミミズが一回でした。16時まで観察しました。15日は福岡行きだったので、岡崎さんが一日観察してくれました。



5日目 曇り時々雨
2009年7月17日 金曜日 5時10分~17時00分 エサ運び23回(31分に1回)

朝寝坊、現地には6時前に到着。すでに朝見さんは来ていました。
今日の親は上流側へエサを求め飛び去っています。本部は下流からも上流からも上からも、見えないように工夫しているので安心です。
7時30分には吉野さん到着。8時30分にはカメラ屋さんも到着して、車中からの望遠撮影です。

親は10分~1時間くらいの間でエサを運んでいます。朝早くは羽化直後のセミ・その後はカエルやトカゲ、不明の長い物体などです。
上流に行っても巣より下流の2番枝に留まります。巣の前の蔓はよほど気に入った様で、使う頻度は90パーセント以上でしょうね?
雛が巣立つ時にも必ず使う様になるでしょうか?彼らには好都合の蔓、もちろん私たちにも好都合な蔓になっています。

今日は本部に居て、TVの仕事で抜けた後は再び戻って17時すぎまで観察しました。一日中曇り時々雨の撮影には良くない天気でした。



6日目 晴れ時々曇り?
2009年7月18日 土曜日 5時40分~16時10分 エサ運び19回(33分に1回)

朝5時40分から観察です。朝一のエサは羽化直後のセミが多い様です。薄暗い樹幹の低い位置で白い物が目立つのでしょう。それとセミの羽化を知っているのでしょうね。何故かセミの鳴き声の多い方向に飛んでいっている感じがします。

飛んで行く方向や、やって来る方向もまちまちになってきました。以前は下流からの一辺倒だったのですが、右上・左上・本部の上流・左下・右下・下流・・・など。
もう一つは、これまでは巣の中に一羽居て中で雛の世話係り、もう一羽は狩り専門で、巣に来たら、中の相棒にエサを渡していました。その役割を一日に2~3回交替していた感じでした。

でも今日は2羽とも狩りをしている感じです。判断基準は、留まる枝がオスメス決まっていた事にあります。卵を温めていた時、交替合図をする時に留まる木の枝は、オスが①の枝・メスは②の枝で鳴いて、相棒が巣から出て行くのを確認して、巣へと飛び立っていたのです。
雛が孵って5日目までは、エサを運ぶ親が、朝は①の枝ばかりに留まり、昼からは②の枝に留まる事が多いとか、その反対の留まり方のパターンとか・・・これは一羽の親がエサを運んでいるとの判断につながっています。

2羽とも出て狩りをしている判断基準は、①と②の枝に留まる個体がまちまちになった事、オスは①だけに留まっていたのが、①に留まった後②に留まって巣の前の蔓に来る様になっている事。上流から来る時には直接巣の前の蔓に留まったり、巣を通すぎて②や③の枝まで下がり、そこから再び上流側の巣の前の蔓に留まったり・・

雛が大きくなったので、2羽でのエサの捕り方に変ってきたと判断します。

今日は撮影のお客さんが合計6名来ました。朝から夕方まで、人の出入りで警戒されたのが合計3度もありました。仲間内で6・9・12・15時だけ出入りする事に決めていたのですが、連絡が不十分でした。アカショウビンの初繁殖の重大性に対しての認識不足など、反省点の多い一日となりました。



8日目 雷雨
2009年7月20日 月曜日 6時40分~17時10分 エサ運び22回(29分に1回)

本部基地に篭って観察です。曇っていましたが8時過ぎから激しい雷雨、今年は梅雨がまだまだ続いています。暗いのでカメラでのエサの確認が出来ません。8時過ぎに朝見さん、12時前に吉野さんが合流です。

親は夫婦で一生懸命にエサを運んでいます。パターンが変ったのはオス親で、①の枝~②の枝~蔓~巣~蔓~飛び去りのパターンから、①の枝~巣~蔓~飛び去り・①の枝~②の枝~蔓~巣~蔓~②の枝~飛び去り・などのパターンも入れてくるのです。それに比べ、メスの方は、②の枝~蔓~巣~蔓~飛び去りパターンを崩していないのです。

18日・19日・20日で、この基地に新たな鳥見客が12名くらい相次いで来たので、少し警戒されてしまいました。特に18日は3回ほど親鳥と人との遭遇があって、その内の2回は巣へは入らず逃げた経緯があるのです。この時の親がオスだったかもしれません。

私達のグループは、300mmくらいのレンズでも鳥を撮れる工夫をしています。具体的には、鳥達からは容易に見えないカモフラージュされた基地を設営し、鳥達の普段の行動を絵に納めているのです。長期戦になる時には、安価な農業用の遮光ネットを代用します。このネットを使う時には、一週間くらい慣らす必要もありますが、上部と前後を覆ってしまえば、中で動いても鳥達には気付かれ難いのです。

今回の基地は本部にこれを使用しており、中には最大7名が入って、4名くらいが撮影出来る広さを確保しています。イスは大小6個ほど用意しています。小さなテーブルにはカセットコンロ・ヤカン・カップなど、コーヒーやお茶はいつでも沸かして飲む事が出来ます。渓谷沿いで日光はほとんど射しません。雨にも強いのが自慢です。下界が30度を上まっても、基地の中では汗をかく事もなく、快適に鳥見を出来るのです。

本部とは別に、下流に一人用の基地を一つ、これは巣を正面から見る事が出来ますが、足場の悪い場所で名前はA基地。もう一つは巣穴から左前方に作っており、①の枝と②の枝を間近に見る事が出来ます。もちろん蔓や巣穴も横方向から間近に撮影出来るポイントです。ココには二人が同時に撮影出来る様にしています。足場も良く、一級ポイントとして重宝しているB基地です。

今日は一度だけキョロロローと鳴きました。抱卵している時には、交替合図として一度は必ず鳴いていましたが、エサを運び始めるとほとんど鳴いてくれないのです。外敵から見つかり難くするために鳴かないのですが、やはり綺麗な鳴き声は聞きたいですよね。17時10分に終了。




9日目 雨~雷雨
2009年7月21日 火曜日 6時15分~16時25分 エサ運び19回(32分に1回)
 
朝一番は一人でしたが、岡崎さんが7時過ぎに合流です。昼からは朝見さんも合流。一日としては、雷雨が断続的に続く暗い山の鳥見になりました。昼食は岡崎さんが持って来てくれたソーメン。本当に美味しかったです。

親鳥は手分けしてエサを運んでいます。誕生初日から5日目くらいは片方が巣穴で雛の世話、片方がエサの運搬をしている子育て方法で、6日目くらいからは、両親がエサ運びと雛の世話をする様になっています。6日目から7日目くらいは両親のエサ運びがランダムで、運んで来る時間が数分程度と短かったり、逆に1時間30分くらいと長くなってみたり・・・でも昨日あたりからは、時間的にも安定してエサを運んで来ている様になりました

エサの種類としては、雨が降っている時には圧倒的にカエルが多くなる傾向です。変温動物の爬虫類は雨の当たらない木陰などで動かないのでしょうね。それと羽化直後のセミも運んでいません。羽化が峠を越えたのでしょうか?それと、オスの方は精力的に四方八方に出かけて行き、留まる枝もあちらこちらと変化をつけたりして、警戒心も相当なもの。メスは留まる枝や留まる順番に変化をつけず、ワンパターンの感じです。行く方向も下流側が圧倒的に多く、基本に忠実?

・ ・・今日は②の枝にエサを持って来た親に、小さな小鳥が強烈にアタックしていました。エサを咥えた親は平然とその攻撃をかわし、通常パターンで雛へエサを与え、再び②の枝に留まって下流に飛び去ると、攻撃していた小鳥がその後を追いかけて行きました。

今の時期、この界隈で見かけている小鳥たちは、メジロ・シジュウカラ・ヤマガラ・エナガ・コゲラ・オオルリ・サンコウチョウ・キビタキ・ソウシチョウ・ガビチョウ・サンショウクイ・ウグイス・ホオジロ・ビンズイ・イカル・カワセミ・アオゲラ・ツバメ・スズメ・ヤマセミ・キジバト・ハシブトガラスなど。飛び方はヒタキ科みたいで、メジロやシジュウカラ科の小鳥ではありません。私的には攻撃を仕掛けたのはキビタキのメス?と思っています。

ここはキビタキ・オオルリ・サンコウチョウの縄張り内で、オオルリとサンコウチョウは既に若を見ています。キビタキだけは未だ若を見ていないのです。巣立ち後の雛のキビタキ一家の近くに、たまたまアカショウビンが留まった。それを見た親が雛を守る為に、アカショウビンを追いかけて、2番の枝まで来て留まっていた敵に攻撃を加えた。アカショウビンが抱卵から毎日使っている枝に留まっているのに攻撃を受けたので、この様な判断をしました。

・・・自然界には学ぶ事が多いですね。




10日目 雨のち曇り
2009年7月22日 水曜日 6時50分~17時30分 エサ運び29回(22分に1回)

朝から雨が降っていました。山へと向かう道中の川はかなりの増水です。一抹の不安を抱きながら、基地に到着すると濁流が本部基地を押し流す勢いです。流されてしまったのは、イス4脚・三脚・双眼鏡・飲料水・カセットガス・ヤカン・防虫スプレー・飲料水・コーヒー・お茶・紅茶・スープ・ブリキ缶とお菓子類・灰皿・そしてスイカなどです。

濁流に入って助け出したのは、テーブル・イス2脚・カセットコンロ・脚立・観察ノートなど、観察ノートだけは絶対に失いたくないから、前回より10cmくらいは深くなって、太ももの辺りまで流れに浸かりながらの救出劇でした。

昨日の夕方6時過ぎの天気予報では、曇りから朝方には晴れの予想でしたが、予報に反して朝のラジオでは、大雨洪水警報などが発令されていたのです。前日も雨が降って、山の保水力がなくなっていたのでしょう。昨日基地を去るときには、30cmくらいの増水では物が流れない様に処置をしていたのですが・・・

雨は朝の9時過ぎまで降り続いていました。今日は46年ぶりの皆既日食が日本で見られる日、大分でも90パーセントの部分日食が観察されるので、どのくらい暗くなるのか?今観察している野鳥達の行動はどのようになるのか興味深々でした。

吉野さんからは太陽を撮影出来る保護フィルムを頂いたので、1500mm程度の望遠撮影も行なう予定でしたが、全く出来る状況ではなかったのです。雨が止んで薄暗い森の中が薄っすらと明るくなったのもつかの間、またまた暗くなっていきます。雲が厚くなったのでしょうか?10時45分くらいが一番暗くなったみたいです。カメラの設定はISO1600・F5.7・SS4分の1まで下がりました。今時分の明るさと比べると、午前6時前くらいで、厚い雨雲に覆われた時と同程度の明るさでした。

鳥達?別に何の変化も見られませんでした。太陽の面積が10パーセント程度で、なおかつ雲にさえぎられていても、相当に明るい事が解りました。満月の明るさの比ではないですね。今日山の中に居たのは、日食観察よりも大切だと判断した、この観察があるからです。46年ぶり?こちらは2009年ぶり、そんな感じを抱いています。私個人の重要度は、日食や釣りよりもアカショウビンがランクは上。

今日は本部に入る事が出来なかったので、車中からの初観察、①・②・③の枝は見え憎いものの、蔓と巣穴は良く見えます。増水した渓流の流れる音が激しい中、ピー・・・ピー・・・と小鳥の声。ヒヨドリかメジロの部分的な鳴きの声がしているかも?と思っていたのですが、岡崎さんが雛の声みたい。と言ってきて初めて雛が鳴いている事に気付きました。そういえば親が帰った時にはかなり聞こえていた鳴き声です。ピー↗・・・ピー↗と語尾を上げる鳴き方が一番多く、次にピュルリ↗・・・ピュルリ↗・・・その次がピヨ↘・・・ピヨ↘などと鳴きます。

親からエサを貰うのも見えます。大きな口・短い嘴・薄い色、親が来ない時には見えないのですが、かなり大きくなっている事が覗えます。そういえば2~3日前から、親が時々鳴くのは、雛に何らかのメッセージを送っていると判断できる証拠でしょうね。



11日目 晴れ
2009年7月23日 木曜日 6時30分~17時30分 エサ運び29回(23分に1回)

渓流の水はかなり減っているものの、まだまだ基地内には入れそうにもありません。昨日車を見せて、少し慣れているので今度は3~4mほど巣に近い場所に車を止めて観察です。カメラを出す方の窓を開放して黒いカーテンを張ります。カーテンの中央には切れ込みを入れているので、レンズだけを出すことが可能。車の窓ガラス専用“カーウインドマウント”にカメラを取り付けて撮影するのです。

朝見さんと撮影していると直ぐに二人のお客さん、そちらにポジションを譲ります。終了後はカメラマン親子が車で登場、私の車を移動させて車毎ポジションを譲ります。私と朝見さんはB基地に篭り撮影です。カメラマン親子が去った後は、朝見さんが車に乗って元の場所、私はB基地に残ったままです。

これで13時になってしまいました。さて、これから撮り放題と思いきや、何かの団体が基地の傍(巣穴の近く)でなにやら講習会??18名もの人だかりになってしまいました。14時前から15時45分まで、沢山の人に脅えてもアカショウビンは4回のエサ運び・・・一瞬です。更に変則的な行動なので、狙いの使い慣れた枝にはほとんど留まりません。

沢山の人が近くに居る時の雛はお利口さんでした。鳴かないのです。昨日辺りから親がエサを持って来た時に盛んに鳴いています。親が去ってしばらくするとピー↗とかなり鳴いていたのですが、この時間は親が居ない時には一切鳴かなくなりました。親は人が近くに居たら、キョロロローと1~2回鳴いて、雛に鳴かないように指示を出します。雛はその指示を忠実に守っているのです。人が去った後に、親がキョロロローと一回だけ小さな声で鳴きました。その後から雛は思い思いに鳴き始めました。

ついでに、親は人が来た時や何かを察知して警戒態勢に入ったら、先ず最初に尻尾の上下動をしなくなります。次に頭の上下運動を停止してしまいます。異常のある場所をじ~っと見つめます。頭だけをゆっくりと動かして他の場所にも注意を払います。
アカショウビンを観察する時、この動作をさせてはなりません。





12日目 雨のち曇り
2009年7月24日 金曜日 5時20分~19時30分 エサ運び45回(19分に1回)

朝早く行って観察です。薄暗い中10分くらいでエサを運んで来たのを確認しました。その後、次から次へとエサを運びます。あと、驚いたのは巣の真下でエサを確保した事と、巣の上に掛けている雨よけの帽子に留まった事です。

8時頃に岡崎さんが来て、その後からプロカメラマンがビデオ撮影に来ました。私はTV出演で9時過ぎから14時前まで現場を離れましたが、その間の観察は岡崎さんがこまめにやってくれました。

メスは2~3日前からみずぼらしい姿になっています。首周りの羽毛が抜け出しているみたいで、トヤ(羽替わり)かもしれません。毎日忙しくエサを運んでいるので痩せているのは目に見えていますが、更にトヤがプラスされていると判断します。サンコウチョウのオスも見てみたいです。尻尾の長い飾り羽は、もうそろそろ落ち始める時期だし・・・。

今日、新たに確認出来た事が一つ。それは雛が外に向けて糞を飛ばす事。プロカメラマンのビデオに、何度も写っていたとの事でした。サンコウチョウなどは、雛の糞を親が咥えて持ち去りますが、アカショウビンの雛は自らの力で、糞を巣穴から外へ飛ばすのです。巣の下は渓流です。岩に落ちない限り、流されて外敵には見つかり難いですよね。ミサゴなどが巣から外へと糞を飛ばすのと良く似ています。

今日は夜になるとどうなるか、暗くなるまで観察しました。雨雲が空を覆っているので暗くなるのが早い一日です。最後のエサは18時51分に与えました。親はキョロロローと小さく鳴いて、上流に向かって飛んでいったまま、巣の直近にある蔓には戻ってこなかったし、巣穴にも戻りませんでした。その一つ前のエサ与えは18時39分でした。この時の親も、キョロロローと小さく鳴いて、下流側へと飛び去りました。兎に角巣穴には入っていません。いつも留まる蔓は段々と見えなくなり、私から3~4mくらいの蔓が見づらくなったのが19時20分頃。雛が最後に鳴いたのは19時12分でした。巣の中は大きくなった雛で満杯状態になっている様子。だから巣の中に親は入らないのでしょう。

5時20分から19時30分まで観察したら870分、エサを運んだ回数は45回、平均のエサ運びは19分弱に1回となっています。雛が4羽居るとして、11匹のエサを食べている事になります。エサの種類としては、雨天が多いのでカエルが断然多く、後はトカゲ・ムカデ・ヤモリ・セミ・バッタ・ミミズ・サワガニなど、何か解らない硬い物も運んでいますが、写真を見ても判断がつきません。栄養たっぷりの食事ですね。



13日目 雷雨
2009年7月25日 土曜日 6時00分~17時00分 エサ運び32回(21分に1回)

朝からメンバー4人が揃います。雷雨だけど大切な観察を第一に、時間をみては撮影にチャレンジです。車を二台止めて車中から彼らの動きを見ています。私の車は何度も見ているので、こちらをチラッと見るだけで、通常の動きで忙しく飛び回っています。

オスの方は体力もあり、雨の中でも羽は濡れていませんが、メスの方はトヤが始まっているらしく、羽根に脂がないのでビッショリ濡れています。産卵して子育てで忙しいのに羽根が抜け落ち様としています。病気や体調不良でない事を祈るばかりです。

ガンバレ~~~

本当に自然は厳しいですよね。今日でエサを運びだして13日目ですが、これまで確認出来たエサの運搬回数は288回となっています。もちろん、私たちが確認していない時間や、確認できていない時にもエサを運んでいるので、288回という数字よりも、1.5倍は多いと推測しています。アカショウビンは生きている小動物や昆虫などを雛に与えているので、これだけの数の命を頂いて雛が育っているのです。

ここ数日はカエルの食事が多くなっています。雨続きでトカゲやムカデの動きが極端に少なくなっているのでしょう。今日はセミのヒグラシを2回持ってきました。硬い丸っこい物体は、手足をもぎ取られたサワガニの様に見えます。

朝一は雛たちの餌運び、その後1時間くらい運ばないので自分たちの食事、それからは雛たちの食事、更に自分たちの食事、この繰り返しをしている様な、エサの運搬と運搬しない時間が交互に訪れている感じです。

今日は終日雨で、森の中は薄暗くエサを捕るのに苦労していると思いますが、親たちのひたむきな子育てに圧倒されています。必死で子育てしているのが手に取る様に解るのです。今日は親が同時に来たのが2回ほどありました。あったら必ず鳴き合います。・・・凄い経験をさせて頂いていることに感謝。
お客さんは2人、昼から来て車の中から観察していただきました。
・・・BTがあがり、仲間にブースターケーブルで助けてもらいました。ありがとう。



14日目 雨
2009年7月26日 日曜日 5時50分~16時00分 エサ運び31回(20分に1回)

朝から雨が降っています。川は少し増水していますが、予報通りの天気なので、基地は修復していません。これで4日連続基地には入っていない事になります。基地内は増水した渓流の床上浸水が続いたまま。いつもの4人で観察です。

今日の出来事で一番だったのは、遂にヘビを運んできた事です。長さは50cmくらいで、蛇の真ん中を咥え二つ折にして②の枝に留まり、直ぐに蔓へと飛んでいきました。そこでヘビを咥えなおし、頭と胴を咥えて巣に飛んで雛に渡したのです。雛はそれを引っ張り込んで、食べてしまいました。いつもはピーピー鳴いたりするのですが、この時ばかりは皆でヘビを奪い合っているらしく、鳴き声が聞こえなくなったのが印象深い出来事でした。

この時間が9時55分過ぎで、その後も普段と変らないペースでエサを運び、昼からのペースダウンもいつもと変らない感じでした。15時前、巣の中の雛がペレットらしきものを、巣の入り口付近に4個ほど並べました。たぶん、消化したヘビの鱗や骨などだと推測します。雨続きでトカゲなどの食料が乏しい中、今回は最高のご馳走だったかもしれません。そのペレットらしき物体は、親が来た後に一つ減っている様にも見えます。運んでいったのかもしれません。4個=4羽の雛?

今日は親が一緒になったのは1回だけですが、2回目の動画撮影に成功です。出合った時には必ず鳴くのも同じです。雛の鳴き声が、キョキョキョとかピロロロ・・・と聞こえ始めました。親の声に近付いている感じです。

帰り支度の16時前、ケレッケレッ・・とヤマセミの声、少し下流の木に留まって水面を見たり、羽繕いをしたり・・・この渓流で初めて見るヤマセミのメスです。増水したので他の渓流からやってきたのかもしれませんが、写真に収めて動画にも収める事が出来、ラッキーな一日となって今日の観察を終了しました。

今日の昼前あたりから、巣から立ち去る親はしきりに巣を確認しています。自分が去った後に、巣穴から雛が顔を出しているか確認している様な仕草です。望遠レンズでは、雛が巣穴近くで動いているのが時々確認できます。巣穴から顔を出す事は一度もないのですが、巣立ちが近い事は親の仕草などでも判断できる様になっています。




15日目 曇り時々晴れ
2009年7月27日 月曜日 5時10分~16時00分 エサ運び24回(27分に1回)

朝早く目が覚めたので山へ直行です。5時10分に現地着。直ぐ後から朝見さんがやって来て、7時ごろには岡崎さんも到着です。
変った事は、巣の入り口に付着していた糞がなくなっていたこと、ペレットが壊れていた事です。雛たちの糞の仕方は巣穴から外に向けて軟らかい糞を飛ばします。その落下地点には渓流があるので、直ぐに流れ去る水洗トイレなのです。これで糞が溜ることなく、巣穴の中は清潔に保たれ、糞を頼りに外敵から狙われる事もないのです。

少し前に巣立ったサンコウチョウの雛の糞は固めで、親が雛の糞を尻から直接受け取り、それを運んで巣から遠い場所で捨てる様です。運び去るのは何度も見ますが何処で捨てるのかは見ていません。渓流の流れに捨てると聞いた事がありますが・・・

凄い知恵ですよね。サンコウチョウの硬い糞は運んでもらうため、アカショウビンの糞は飛ばすために軟らかく、小便みたいに流れるのです。赤い鳥が巣穴から小便みたいな糞をする。それが名前の由来になっていて赤小便?まさか・・・ですよね。

今日は親が一度だけ、蔓~巣~蔓~巣~蔓~巣~蔓~巣の上の枝と、交互に留まりました。雛に巣立ちを促しているのか?そんな素振りを朝の8時前に行ないました。それ以外は雛にエサを与えて去る時に、振り向いて巣穴を確認している事。これは昨日の昼前から顕著になった親たちの行動です。それとエサを運ぶ回数が減っています。雛たちの脂肪が減って、飛び立てる様にしているのでしょうね。

雛の方は大きな声で、キョキョキョと親のキョロロローに近い声で鳴く事も多くなってきました。岡崎さんが雛の排泄を二日粘って見事に撮影成功です。雛が巣穴の入り口で尻を外に向けて排泄している糞が、ばっちり流れ落ちながら写っています。雛の下腹はゴジュウカラの様に赤く染まっていました。良く育っています。

朝見さんは、滅多にお目にかからない、親のツーショットをバッチリ撮影です。それも50cmくらい離れて同じ蔓で向き合う形、一羽はエサを持って来た瞬間、一羽はエサをあげて戻る瞬間です。今日の私は動画でツーショット近いカットを2コマほど、コンパクトデジカメは制限が多く、思うようには撮れません。SX-1が以前と同じトラブルで動画専用機になってしまっているのです。

私の予想は7月29日か30日の巣立ちを見込んでいます。


綺麗で働き者のお母さん。最後はボロボロになったけど踏ん張ってくれました


16日目 巣立ち 曇りのち雨
2009年7月28日 火曜日 5時10分~18時15分 エサ運び18回 13時54分まで、

夜明け前から雛の声、ケケッとかキョキョとかピョピョ・ピーピーなどと元気一杯です。昨日と変らず、親はエサ運びに飛び回っています。私・朝見さん・岡崎さんで観察ですが、今日は北九州から釣り仲間が親子で観察に来てくれました。私の車から12時ごろまで観察し、写真も撮って満足気に山を後にしました。本日18回目のエサはモグラで初の哺乳類。一昨日の蛇と言い食べられるものは何でも頂く雛たちです。

次に運んだのは12時54分で、エサを与えた親鳥に続いてあっと言う間に一羽の雛が巣立ってしまいました。羽ばたく力は相当なもの、一気に下流へと30mは飛んで行って見失いました。プロカメラマンに一報を入れました。

次は13時54分にエサを持って来た親に続いて2羽目が①枝の下流側、続いて飛び出した3羽目は、巣の直近の蔓に留まり、その後2羽目と同じ枝に留まろうとしましたが失敗し、更に下流側へと飛び去りました。鳥見仲間にも一報しました。

4羽目の雛は、14時53分に親が来ないのに自力で巣立ちました。留まった所は③の枝の近くです。そこからB基地方面の杉の木立まで30m近くを一っ飛び。・・・今まで見て来た他の小鳥の雛たちの巣立ちとは、飛ぶ力や飛距離が相当に違っていました。

巣の中には未だ一羽が居ます。羽毛を抜いたり、羽ばたきの練習をしたり、主な仕事は巣の中の掃除をしているのです。巣の掃除は1羽目以外の雛はみんな行ないました。ペレットや、巣の底の方から骨や羽などを運んできて、足で後ろ掻きしながら巣の外へ出していくのです。アカショウビンは、巣の掃除を雛たちが巣立つ時に行なう習性がある様です。それで最後の雛は、15時前から18時15分まで、こまめに掃除をしていたのです。“発つ鳥後を濁さず”とはアカショウビンの雛にも言える事。凄い発見でした。アカショウビンは気に入った巣は次の年にも使う様ですが、雛がそれを準備しているのだから親孝行ですよね。

あと一つ、雛が巣立つ時には巣穴の外の風景を見てから巣立つものと思っていましたが、アカショウビンの雛は、頭を出した時点で巣立ってしまいます。4羽の雛の巣立ちを観察していましたが、たじろいだり躊躇する事は有りませんでした。初めて見る緑の森を前に一気の飛翔を行なったのは見事と言うしかありません。

感動の巣立ちに6人が立ち会いました。・・・でも1羽は残って掃除\(◎o◎)/!


お母さんを見守り、この日は巣立つわが子を遠くから見つめていたお父さん


17日目 雨のち曇り
2009年7月29日 水曜日 エサ運び1回

寝過ごしました。現地には6時10分ごろ到着しました。直ぐにピヨッピョッと雛の声がしました。すぐ下流から小さな声でキョロロローと親の声。巣に電気を当てて望遠レンズで様子を覗います。すぐ近くで、ヒヨドリの若が騒いでいます。でも、巣の中には雛の姿がない様です。5分後、鳥見仲間が二人で来たので一緒に観察です。

7時20分頃、昨日の巣立ち動画などを3人でチェックしていると鳥の気配。3人で確認するとオスのアカショウビンが蔓に留まりました。オスはクワガタを咥えて巣に飛んで行きます。でもエサを与えるべき雛が居ない事に気付きます。巣と蔓を合計3往復して中に雛が居ない事を確認したら、キョロロローと一声鳴いて、雛を探しながら下流側へと飛び去っていきました。最後の雛が巣立ったのは確かです。

ココからは推測ですが、この時間に親がエサを持ってくると言う事は、朝一番の5時過ぎにエサを与えているはずです。雛はその後に巣立ち、6時10分に私が聞いた雛の声と親の声は、私の車が止まった事に対する、親が雛に危険を知らせる言葉だと判断します。それから1時間が経過しており、親がエサを探している間に、雛は自力で何処かへと移動してしまったと推測されます。ヒヨドリの若が騒いでいたので、最悪の場合雛を見つけて攻撃していたかもしれません。

親と合流できたら安心なのですが、そうでない場合は確実に死んでしまうでしょう。いずれにしても、5羽目の雛が巣立った後の声は聞きました。父親が最後のエサを持ってきたのも確認し、ブレブレの写真も収める事が出来ました。少し遅れて朝見さんと岡崎さんがやってきました。本部基地・A基地・B基地の撤去と渓流沿いに流された、三脚・イス4脚・ヤカンなどを回収しました。後はこの森で再会出来るのか、出来ないのかは分かりませんが、来年の繁殖に期待してアカショウビンの観察を終了です。

6月20日の産卵確認から39日目間、アカショウビンは数々の生態を私たちに見せてくれました。①産卵の案内はオスが巣に入って導く・②産卵時間は約2時間・③その間オスは傍の枝に留まったまま、時々小さな声で鳴いてメスを気遣う・④抱卵は3時間前後の交替制。⑤交替合図は巣から20mくらい離れた所で一度は必ず鳴く・⑥雛が生まれ4~5日間くらいは、エサ運びが一羽、巣の中で雛の世話係りが一羽、午前と午後で役割分担の交替制?・⑦その後のエサ運びは2羽で行なう。⑧蔓に留まった親の頭は静止してぶれない。⑨雛は巣穴から糞を外に飛ばす。⑩巣立ち前の雛は巣の中の食べカスを掃除して外に出す。⑪雛は巣穴から頭を出したら直ぐに巣立ちする。など。

一羽目、7月28日12時55分に突然出て、30m以上下流へ飛んで行きました
二羽目、13時54分に出て、下流20mの左岸の木に留まります

三羽目の雛は続いて出た。巣の前にあるお立ち台の蔓に留まりました

四羽目、14時53分、③から左岸の杉の木立へと見えなくなりました

五羽目の雛は、7月29日早朝に単独で出て、父親がエサを咥えて探します


感動の数々感謝しています 2009年7月29日 

アカショウビンの繁殖記録 生データはココから




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コメントする (初めての人は挨拶から・・)
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一気に・・・
読んでしまいました・・・
昨日の今日でこんな大作がアップされたので驚いています。。
これで、ホッとひと安心ですね♪♪
おつかれさまです(^^)
真美 URL 2009/07/29(Wed)21:36:47 編集
おつかれさまでした^^
昨日はありがとうございました。
残念ながら巣立ちに立ち会えなかった・・
チャンスを無駄にしてしまった事で
落胆しています・・・
しかしブログを夢中になって読んでしまいました><b
活字だけのデータより写真がありとても
ひきつけられました^^
この39日間のデータに2日間も携われたことを光栄に思います。^^
くろ@北九州 URL 2009/07/29(Wed)21:44:46 編集
お疲れさまでした
大変な記録をよく取りましたね。
カンダイさんと仲間のなせる業です
今回のことで鳥見のルールがはじめてわかりました。

仲間の皆様もお疲れ様でした

読むだけでアカショウビンのことが良くわかります
ハイジ 2009/07/29(Wed)22:44:59 編集
みなさん
真美たん
 ありがと
 巣立ちでホッ・・・抜け殻  (^^♪
 たぶん、G杯の初優勝に匹敵するかも??

くろ@北九州さん
 ありがとさん  
 あの時は巣立つ気配はなかったかと・・・
 いきなりビックリしました。
 いい経験をさせて頂きました(^^♪

ハイジさん
 この記録は世界中の宝だと思います。
 後にも先にもないと思ったので考え付く事は実行です。
 いろいろとありがとう(^^♪
カンダイな人 URL 2009/07/31(Fri)23:36:39 編集
来てくれてありがとう。
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